花王が開発した廃PETをリサイクルした高耐久アスファルト改質剤をウエルシアが新店舗駐車場舗装に初採用

花王が開発した廃PETを原料にリサイクルした高耐久アスファルト改質剤を

ウエルシアが新店舗駐車場舗装に初採用 

 

「ニュートラック 5000」が初採用されたウエルシア藤沢用田店の駐車場

 

花王株式会社(代表取締役社長執行役員・長谷部佳宏)が開発したアスファルト改質剤「ニュートラック 5000」が、ウエルシアホールディングス株式会社(代表取締役社長・松本忠久)の子会社、ウエルシア薬局株式会社が運営する新店舗ウエルシア藤沢用田店(神奈川県藤沢市用田599-1)の駐車場舗装に初めて採用されました。ウエルシアは今後、大型車両が多く、高い耐久性が求められる駐車場の舗装に「ニュートラック 5000」の順次導入を進めてまいります。

「ニュートラック 5000」は、廃棄されるPET素材(廃PET)を原料として花王が独自の処理を加えたアスファルト改質剤です。アスファルト改質剤はアスファルト舗装の耐久性を高める製品ですが、「ニュートラック5000」は廃PETを活用しながら、わずか1%配合することでアスファルト舗装の耐久性を約5倍向上させ、さらに、配合したアスファルト舗装からのマイクロプラスチックの発生を抑えます。

花王グループは、今後も、花王らしいESG活動をグローバルに展開し、世界の人々の喜びと満足のある豊かな生活文化を実現するとともに、社会のサステナビリティへの貢献に取り組んでまいります。

ウエルシアホールディングスグループは、企業理念『お客さまの豊かな社会生活と健康な暮らしを提供します』の実現に向けて、SDGsを意識したサスティナブル経営を戦略の指針の一つとして掲げており、地域への店舗展開する企業として、地域の環境保全に努めてまいります。

 

参考資料

 「ニュートラック5000 」とは

花王のケミカル事業では、豊かな生活文化の実現と社会のサステナビリティへの貢献に向けて、社会インフラ構築に寄与する研究開発に取り組んできました。アスファルト舗装はコンクリートと比較して道路や駐車場の舗装に多く利用されていますが、荷重や経年劣化によってくぼみが発生するなど、耐久性には課題があります。一般的に耐久性を高めるためには、アスファルト改質剤※1が使用されています。花王は、2019年に耐久性を約5倍に高めるアスファルト改質剤「ニュートラック 2500」を開発、発売しました。そして2020年12月に、この性能を維持しつつ、廃棄されるPET素材(廃PET) を原料とした「ニュートラック 5000」を発売し、これより本格的な展開を開始します。廃PETの処理を目的として、アスファルト舗装内に廃PETをそのまま砕いて混ぜ込む事例はありますが、舗装の耐久性向上にはつながりません。「ニュートラック 5000」はアスファルト改質剤の原料に廃PETを使用した製品で、花王が推し進める“ポジティブリサイクル(再利用により新事業を創造する)”を実現するものです。

※1…アスファルトに混合することで、舗装の耐久性を向上させる物質。販売する会社によって成分などが異なる。

 

「ニュートラック 5000」の特長

① 廃PETを原料にリサイクル

アスファルト舗装は、親油性のアスファルトと親水性の骨材(石・砂)を混ぜ合わせたものですが、両者の親和性が低いことが耐久性低下の原因です。花王は、樹脂プラスチックがアスファルトと骨材の親和性を高めることに着目し、得意とする界面制御技術を応用して、アスファルトと骨材の親和性を高めるアスファルト改質剤を開発しました。そしてこのたび、積極的なリサイクルへの取り組みとして、原料となる樹脂プラスチックに廃PETを活用する技術を構築(図1)。「ニュートラック 5000」は、廃PETをただ砕くだけではなく、特殊脂肪酸や特殊アルコール、特殊添加剤などを加えて化学反応させ、機能性を有した新たな物質として生まれ変わらせている点が特徴です(図2)。

図1.アスファルト舗装における 「ニュートラック 5000」の作用イメージ

 

 

図2.廃PETを新しい物質に変化させるリサイクル

 

② 耐久性能が約5倍に向上、マイクロプラスチックの発生も抑制

「ニュートラック 5000」をアスファルト中に約1%配合すると、無配合と比べて舗装の耐久性を約5倍向上させることが可能です(図3)。また、耐久性が向上したアスファルト舗装では、マイクロプラスチック(5㎜以下のプラスチック)の発生を抑制出来ることが確認できています。

 

図3.走行試験による耐久性の比較

 

③ 舗装の視認性向上

「ニュートラック 5000 」を添加したアスファルト舗装は従来と比較して、より黒いのが特徴です( 図4) 。そのため、ドライバーから白線が確認しやすく、安全走行へ大きく寄与すると考えられます。また、店舗の駐車場舗装に利用すると、店舗の美観を引き立て、かつ、いつまでも新しい店舗の印象を与えます( 図5) 。

 

図4.「ニュートラック5000」使用による視認性の向上

 

 

図5.施工から3年経過した駐車場の様子

 

今後

近い将来予測されている全自動運転時代では車輪が同じところを通るため、アスファルト舗装の劣化速度が早まると考えられ、今以上に道路の高耐久性が求められます。花王は、今後この技術をグローバルに展開していくと共に、ヒトへの安心・安全の提供と豊かな持続的社会の実現に向けた取り組みを推進していきます。

 

■動画

 タイトル:廃PETを原料とする高耐久アスファルト改質剤 ニュートラック 5000

 http://youtube.com/watch?v=B7Lf3sp1E-w